2008年03月15日
アバド/ルツェルン祝祭管のマーラー交響曲第3番(3月15日BShiの放送)
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BShiで3月15日21時から放送されたルツェルン音楽祭2007(クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団)のマーラー交響曲第3番に感銘を受けたので記す。
このコンビによる「復活」はCD化されたが、このライヴはCD化されないものだろうか(ここではベルリン・フィルとのライヴをあげておく)。
アバドは21世紀に入って大病を患い、生死の狭間をさまよったが、奇跡的復活をとげ、新たなる意欲と情熱をもって取り組んだのが、スイスのルツェルン祝祭管弦楽団の再編・再生だった。
メンバーにはなんとベルリン・フィルの首席、元首席奏者はもとより、クラリネットのマイヤー、チェロのグードマンら世界的ソリストたちが結集、結果的にスーパー・ワールド・オーケストラというべき陣容を誇っている。
肝心の演奏の方だが、いかにもアバドらしく、きめこまやかな好演であった。
アバドが作品に対するこぼれるばかりの愛情を注ぎこんだ感動のマーラーだ。
スケールも大きく、ルツェルン祝祭管弦楽団のみずみずしい音色も素晴らしいが、それ以上にアバドだけがもつ清楚で香り高い音楽性に心奪われる演奏で、きめこまかく、また優しさにあふれている。
最も興味深かったのは第1楽章で、深刻に不安な感情が表わされていた。
音構造がリアルに表出され、不協和音などもきびしく再現されているからだろう。
そこには一種の表現主義的な性格も感じさせる。
また第2,3楽章ではルツェルン祝祭管弦楽団の精緻な合奏能力が非常な武器となっていた。
アンナ・ラーションも表情豊かに歌い、合唱そして器楽奏者のソロも見事だった。
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コメント一覧
1. Posted by La Fontaine 2008年03月17日 20:43

アバドは日本では評価は分かれるようですが、最近のルツェルン祝祭とのマーラーは素晴らしい出来だと思います。来日時マーラー6番(ゲネプロ)を聴きましたが、まさに細かいところまで神経が行き届いていていました。本番は凄かったらしいですが・・。
3番のCD化に期待したいものです。
2. Posted by 和田 2008年03月17日 21:54
アバドはウィーン・フィルともベルリン・フィルともマーラー3を録音してるように十八番なのです。
まさにおっしゃるように細かいところまで神経の行き届く(第6楽章)演奏でした。泣くことを捨てられたのです。
まさにおっしゃるように細かいところまで神経の行き届く(第6楽章)演奏でした。泣くことを捨てられたのです。
3. Posted by sheepsong55 2012年10月26日 20:35
ルツェルン盤の前にやはりウィーンフィルとの一枚をとるべきではないでしょうか。最近ようやく再発されたようですが、ジェシー・ノーマンの歌唱から最終楽章に至る演奏は奇跡的といえます。レコード史に残る名演だと信じています。ぜひ一度お聞きください。
4. Posted by 和田 2012年10月26日 21:28
sheepsong55さん、コメントありがとうございます。
ウィーン・フィル盤は、かつての私の愛聴盤でしたが、ベルリン・フィルとの新録音を聴いた瞬間、旧盤の感動をさらに上回る感銘を受けたので、今はアバドのマーラー「第3」を聴く時は、迷わずにベルリン・フィルとの1999年ライヴ盤を選びます。
またのコメントをお待ちしております。
ウィーン・フィル盤は、かつての私の愛聴盤でしたが、ベルリン・フィルとの新録音を聴いた瞬間、旧盤の感動をさらに上回る感銘を受けたので、今はアバドのマーラー「第3」を聴く時は、迷わずにベルリン・フィルとの1999年ライヴ盤を選びます。
またのコメントをお待ちしております。