2012年01月27日
シュヴァルツコップ&ギーゼキングのモーツァルト:歌曲集
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20世紀最高の名ソプラノのひとりであるシュヴァルツコップが、これまた20世紀を代表するモーツァルト弾き、ギーゼキングを伴奏者として録音したもので、名演奏家同士の共演だけに、そこから生み出される音楽は、神々しいばかりの魅力がある。
シュヴァルツコップの最絶頂期(1955年)の録音。モノーラル時代のとても古い録音だ。
音が古めかしいだけでなく、声に関しては演奏テクニックも解釈もところどころ頼りなげだ。
しかし、それを超えて訴えてくるものがここにはある。
初心の感動というべきものが、自ら歌をうたうよろこびに満ち、それを人に伝えずにはいられず、聴き手とともによろこびを分かち合おうとする姿勢に貫かれた演奏だ。
1曲1曲に心のときめきがこもり、これほど歌を聴くよろこびを感じさせてくれるディスクも珍しい。
この録音当時からすると、モーツァルトの再現様式もずいぶん変わってきた。
この歌唱も今となってはいくぶん思い入れの強いモーツァルトといえるが、ここにはシュヴァルツコップとギーゼキングという2人の芸術家が、力と心を合わせて作り上げた「真実のモーツァルト」がある。
これはまさに千載一遇の出会いと言ってよいほど、歌曲録音史上指折りの名演に数えられる。
歌唱様式が時代によってその形を変えるのは当然だが、その「歌のこころ」は不変である。
ここでのシュヴァルツコップの歌の彫りの深さは、モーツァルトへの思いの深さそのもので、CDがある限りこの歌の命は消えないだろう。
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