2008年03月21日
フランソワのショパン:マズルカ集&即興曲集
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「あの〈マズルカ〉のなかには、信じがたいような細密さがある」と言ったのはベルリオーズだが、そうした性格を見事に表出しているのが、ベルリオーズと同じフランス人のフランソワである。
フランソワの演奏は、自由奔放で躍動する精神が引き出し得た全く独創的なショパンの演奏であり、一見、奇矯に見えるピアニズムは、今までに見えなかった形を曲に与えることになり、新鮮な驚きをもたらすのである。
モノーラルで録音の古さのため音の鮮度にはやや欠け、響きも硬いが、演奏の質は素晴らしく、フランソワなるショパン弾きの才知があふれ出てくる。
ショパンのこまやかな感情のひだを、巧みに表出していて聴かせる。
あくまでも自由な飛翔をめざす精神から生まれる才知、それがなんとも魅力的で、つい耳を傾けたくなる。
全体に即興的な性格をもっているのが特徴で、テンポを微妙に動かしながら、起伏の豊かなセンスのよい音楽をつくりあげている。
マズルカを躍動的にとらえた演奏であり、フランソワが残したショパン演奏の中でも最も価値が高い。
作品番号のついた51曲を収めている。
即興曲も個性的で、有名な幻想即興曲など、他の誰よりも快速のテンポで颯爽と演奏しているように聴こえるが、よく聴くと各フレーズには独特のニュアンスが込められていて、その洒落たセンスに満ち溢れた味わい深さにおいては、他のピアニストが到底及ばない独特の魅力を兼ね備えていると評価したい。
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