2008年03月21日
F=ディースカウのマーラー:さすらう若人の歌
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青年F=ディースカウと巨匠フルトヴェングラーの歴史的名盤「さすらう若人の歌」は、幾度となく装いを新しくしては発売され、不朽の声価を保ち続けている。
フルトヴェングラーは、1950年のザルツブルグ音楽祭で、F=ディースカウを独唱者としてこの曲を演奏し、聴衆に多大な感銘を与えた。
そのとき彼は、F=ディースカウにこう言ったという。
「私はいままで、マーラーの音楽を好きになれなかったが、あなたのおかげでそのよさがわかった」と。
このディスクは2人のマーラーに対する深い共感によって貫かれた感動的な名演奏で、フルトヴェングラーのロマンティックな解釈に支えられた、F=ディースカウの、沈潜した歌唱のうまさは比類がない。
こまやかな情感を引き出す語り口の見事さ、美しさ、それによる旋律線に弱体化のないことが、唯一無二の名演たらしめている。
モノーラルなので音の劣るのが残念だが、この密度の高い演奏は、マーラー歌曲史上の偉大な金字塔のひとつといえよう。
「亡き児をしのぶ歌」も細心の配慮をもって歌い上げた名唱。
ただこちらのほうは、いまひとつ暗い情念の沈潜が欲しい。
「さすらう若人の歌」には、この若きF=ディースカウと晩年のフルトヴェングラーによる伝説的な名演があり、さすがのF=ディースカウも28歳の時のこの奇蹟的な演奏以上の録音をその後行っていない。
クーベリックとのものも、もちろんそれ自体は大変な名唱だが、かつてのデモーニッシュさはない。
とはいえ、他のどの歌手をも遥かに凌駕している。
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