2008年03月23日
デュ・プレのサン=サーンス:白鳥(チェロ名作集)
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10曲中、7曲が16歳でのデビュー翌年の録音だが、デュ・プレはテクニックに走らず、若いにもかかわらず実にじっくりとした演奏を聴かせているのが印象的だ。
若々しい情感を直接作品にぶつけているだけに表情は率直だが、作品の持つ深みの入口に立つこと、それを全身で受け止めることを知った、ふんぎりのついた演奏である。
ここには音楽のニュアンスに食い込むような解釈や、ソリストとしての奔放な身振りはないが、作品の性格による弾き分けを心得た、ストレートな音楽性の発揮を聴くことができる。
自分の感じたなりにしばしば楽譜を超えて、豊かな息吹を込めた《歌》を愛する楽器に歌わせている。
そのようなデュ・プレのレコーディングされた演奏は、ほとんどムラのようなものがなく、どれも充実している。
デュ・プレのひくサン=サーンスの《白鳥》のよさは、ドヴォルザークの協奏曲に挑む彼女のよさに少しも劣るものではない。
よい質感の表現に接したという印象を残す演奏である。
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