2008年03月25日

バーンスタインのチャイコフスキー:交響曲第4、5&6「悲愴」(新盤)


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全体を通じてバーンスタインの感性は、年齢を越えたみずみずしさを感じさせる。

第4番は実にユニークな表現で、第1楽章序奏から、恣意的といえるほどテンポが自由に変化し、自在な表情を作る。

第2主題などまさにすすり泣くようであり、楽想に応じて表情が千変万化する。

終楽章も一句一節に生命をはらんだ表現で、テンポの緩急の効果は魔術的といえるほど。

「フランチェスカ・ダ・リミニ」も鮮烈に個性を示した秀演だ。

第5番はやや遅めのテンポで始まるが、次第に熱気と興奮を加え、主部は速めのテンポと切れのよいリズムで、緊迫した音楽を聴かせる。

金管を朗々とならし、精力的にアゴーギグを駆使したアメリカ的ともいえる華麗な演奏は、いかにもバーンスタインらしい。

「ロメオとジュリエット」はいかにも物語風に、全体の起承転結が見事に構成された優れた表現だ。

これほど見事に"悲愴"感を表出した「悲愴交響曲」の演奏は稀である。

いま、まさに、息の絶えんとする臨終の人を見るかのような、あまりにも、重く、暗い、表現である。

特筆すべきは第1楽章第2主題のテンポの動きだが、作曲者の指示どおり(緊張・弛緩・保持)に完璧に演奏されている。

オーケストラを意のままにドライヴして感情表現の揺さぶりをかけてくるテクニックは、バーンスタイン独特のものがある。

その一貫した重たい気分は独特で、これまでの指揮者のどのような表現にもなかった、絶望的なうめきが聴こえてくる。

フィナーレもすごい演奏で、特にエンディングのデクレッシェンドが素晴らしく、最後の最弱音を聴くと、死に対面したような気持ちになり、恐ろしいほどである。

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classicalmusic at 09:51コメント(2)トラックバック(0)チャイコフスキー | バーンスタイン 

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コメント一覧

1. Posted by レニー狂   2008年04月24日 21:35
基本的に同意見です。
バーンスタインのチャイコフスキーは晩年の録音が優れています。特にご指摘の五番の推進力や終楽章の高揚、悲愴の表現力は「老い」を感じさせません。
活動の舞台をアメリカから西欧に移したバーンスタインが、かつてNYPで録音した主なレパートリーを主にVPOで再録音していくなかで、チャイコフスキーにNYPを選んだのは、オケと曲との相性もありますが、きっと一歩踏み出した表現に柔軟に対応するオケとして馴れた「我が家」を選んだのではないかと思います。
2. Posted by 和田   2008年04月24日 21:43
私はバーンスタインの晩年のチャイコフスキーを聴いて、一目瞭然なのは、バーンスタインが愚直なまでに自分の感動を表現しつくそうとしていること。その徹底には恐れ入るしかありません。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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