2014年11月18日

カラヤンのヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」(新盤)


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カラヤン2度目の《ファルスタッフ》録音となったこのアルバムは、全曲くまなく溌剌たるエネルギーの漲ったゴージャスな演奏。

カラヤン2度目の録音だけあって、演出巧者な棒で、このオペラのもつ洒脱で喜劇的な愉悦感をもののみごとに表出している。

ゴッビ等と録音した旧盤と比べ、この録音でのカラヤンはまさに至芸をみせている。

細部までよく磨き抜かれた、実に仕上がりのよい演奏で、ウィーン・フィルの響きも大変美しい。

ウィーン・フィルの柔らかな音色とカラヤン独特の粘り腰もあって、トスカニーニほどの鋭敏さはないが、オーケストラは洗練され尽くした美しい響きだ。

ウィーン・フィルの爛熟の響きで貫かれたきわめてユニークな《ファルスタッフ》でもあるが、ここに横溢した贅沢な愉悦感は比類がないもの。

歌手陣も素晴らしい。

中でも老タデイのファルスタッフが抜群にうまく、のびのびと闊達に大ベテランならではの練れた歌唱を聴かせ、持ち前の至芸によって聴き手の心をたっぷりと充足させてくれる。

タイロル・ロールのタデイは心配された声の衰えも少なく、滑脱、自由自在のファルスタッフを生き生きと歌いきっている。

「愛すべき無頼漢」が憑依したかとも思えるタデイの、天衣無縫、自由奔放、柔軟無類の驚くべき名唱が聴きもの。

素晴らしいアンサンブルを展開するほかの歌手たちも粒ぞろい。

パネライは善人フォードを彷彿とさせる不足のない出来映え。

ガバイヴァンスカもここでは本領を発揮、4人の主役級の女声陣も、それぞれみごとだ。

またアライサのフェントン、ペリーのナンネッタの起用もカラヤン美学に沿ったものと思えるが、これも大きな成功を収めているように思う。

完成期のカラヤンのヴェルディ録音の中でも白眉の一盤と言えるところであり、このオペラのユニークなおもしろさを充分に味わわせてくれる。

カラヤンの音楽に漂う不思議な優しさは老ヴェルディの精神にふさわしく、感動的だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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