2008年03月27日
カラヤンの「ドン・カルロ」
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4幕版で、カラヤン唯一の録音。
この作品のもつ魅力をあますところなく表現した圧倒的な名演である。
カラヤンの「ドン・カルロ」に対する並々ならぬ傾倒と熱意と練磨の行きつく果てに生まれた名演で、完璧な精錬と充実の中に、異常な手応えと感銘を与えてくれる。
まさにカラヤンのヴェルディ演奏の精髄を示したものだ。
ベルリン・フィルの卓越したアンサンブルを駆使してのカラヤンの指揮は、ここでは歌とオーケストラとが見事に融合して、まれにみる壮大なドラマを作り上げている。
歌手たちもまた無類の充実ぶりで、美しい声とこまやかで力強い劇的表現を求めるカラヤンの妥協を知らぬ姿勢に応え、見事な成果をおさめている。
ドン・カルロのカレーラスやエリザベッタのフレーニをはじめ、その充実ぶりは比類がない。
カラヤンの「ドン・カルロ」は、カレーラス、フレーニ、カプッチッリといった歌手陣がカンタービレたっぷりに歌っているが、オーケストラがベルリン・フィルだけあって同じヴェルディの「トロヴァトーレ」や「オテロ」と同様に全体としては必ずしもベルカントに満ちたものではない。
しかし、暗い悲劇のドラマを壮麗にそして劇的に構築していくのは見事という他ない。
完璧なドラマとして描き切っているためにイタリア的ヴェルディ表現ではなくても普遍的な説得力がある。
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