2008年04月03日
カラヤン絶頂期のチャイコフスキー
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1971年の録音で、カラヤンが最も自己を激しく主張していた時期の演奏。
表情が大きく威圧的で、響きも華麗、それだけに聴き手の趣味によって好悪が分かれるかもしれないが、カラヤン・ファンにとってはたまらない演奏である。
第4番の冒頭からして精力的で華麗な演奏だ。
それはいかにもカラヤンらしいといえるが、ベルリン・フィルの交響的な響きを駆使しながら、テヌートのきいた歌を堅固な構築性でまとめている。
特に第2楽章の磨かれた感覚美とロマンの融合は見事というほかはない。
第4楽章は劇性と緊迫感のつくり方が実に巧妙だ。
第5番は豪壮で劇的、そして精緻な表現だ。
しかしカラヤン特有の表情が多々あり、そのへんが賛否を呼び起こすことになろう。
この第5番はチャイコフスキーの中にあるドイツ交響曲の影響をことさら強く感じさせる。
「悲愴」は極めて感覚的で、これこそはカラヤン独自の世界である。
耽美的なチャイコフスキーの一面を表しており、その洗練と優美さの中に一種の頽廃の匂いさえ漂うが、こうした角度から迫った演奏はカラヤン以外には見あたらない。
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