2008年04月03日
バーンスタインのマーラー「復活」
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きわめてロマンティックな表現のマーラーだ。
冒頭から楽想の一つ一つを入念に表出し、濃厚な表情で全体を堅固に組み上げている。
当然感情的な思い入れも強いが、それがまた交響的な壮大さをいやが上にも高めている。
この曲は世界中で好んで演奏されるゆえ、録音も多々あるし、効果的に書かれているため、どれを聴いてもそれほど印象は変わらない。
そんな中、バーンスタインの演奏は、じっくりと作品の情感を迫っていくという点では、極めてユニークで説得力がある。
第2楽章では、甘美な世界が、まるですでに失われたものを回顧するかのような色調で描かれている。夢のような美しさだ。
声楽が登場する第4,5楽章も静かで深い祈りをこめたような演奏である。
そしてしばしば軽薄なお祭り騒ぎになってしまう最後の部分は、むしろ盛り上がりを抑え、そのためにかえって真剣さ、深刻さがよく伝わるのである。
これほどまでに宗教的な雰囲気を出した演奏はほかにあるまい。
特に「原光」と題された第4楽章と合唱の登場以降のフィナーレにおける感動の深さは比類のないものであり、終末合唱の終曲的高まりは、有無をいわせぬ驚異的説得力がある。
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コメント一覧
1. Posted by レニー狂 2008年04月07日 21:23

マーラーが一般的に受容されるに従い、またバーンスタインがマーラーの曲を自身とより同化させていくに従い、外面的な効果よりも内面が重視され、結果的にこの演奏ができたのだと思います。
2. Posted by 和田 2008年04月07日 23:11
おっしゃる通りかと思います。円熟の名演ですね。またのコメントお待ちしております。