2008年04月05日
ボレットのリスト入門
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円熟期のボレットによる選集である。
《メフィスト・ワルツ》第1番や《愛の夢》第3番などの11曲を収めたディスク。
技巧的な性格を前面に押し出しながら、旋律をよく歌わせたロマンティックな演奏である。
ボレットが長年愛奏し、手になじんだレパートリーだけに、表情は伸びやかで美と力に満ちている。
ボレットはローゼンタールに師事したことで、リストの孫弟子としてその直系につらなるが、演奏はさすがにぴったりと決まり、リストのグランド・マナーによる表現のツボを見事に体得した正に絵になる演奏を聴かせる。
ボレットの演奏は実に振幅が大きいが、それは決して大げさな誇張に終始するたぐいのものではなく、リストが意図した音楽の実体を失うことなく、限りない広がりを生み出していく。
その演奏のグランディオーソな味わいには格別のものがあり、リスト演奏の貴重な記録であることは間違いない。
さまざまな楽想の作品を取り上げていて、選曲もよいので、リストのピアノ音楽入門としては格好の1枚である。
特に《ラ・カンパネラ》をフジコ・ヘミング氏の演奏で洗脳されてしまっている方などに、真のリストはこういうものだと言っておきたい。
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