2008年04月06日
アッカルドのパガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番「ラ・カンパネッラ」
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賭博に明け暮れ、無一文になったパガニーニは、ある商人からヴァイオリンを借りて演奏会の舞台に立った。
コンサートは大成功、熱狂した聴衆を見て商人は言った。
「どうぞ、このガルネリをあなたのものとして、いつまでもお使いください。ただし、あなた以外の誰の手にも、この楽器を渡さないと約束してください」と。
パガニーニは終生この楽器を愛した。彼の死後人手に渡ることになかったこの楽器が1958年《第2のパガニーニ》の手に渡った。パガニーニ国際コンクールで第1位に入賞し、その栄誉をたたえられた、アッカルドが手にしたのである。
この演奏はそうした彼の代表的な名演のひとつで、《魔神》パガニーニの音を現代に伝える意味でも貴重だ。
パガニーニの音楽の魅力を満喫させられる。美音家のアッカルドが魅惑的なヴィヴラート、節回し、ポルタメントといった高度な技巧が鮮やかに駆使され、まさに目の覚めるような名人芸だ。
アッカルドのヴァイオリンにはしたたるような官能美と愉悦感があり、小気味よいテクニックを用いながらも、いつも心の裏付けを伴って曲想を幅広く描いてゆく。
そして新鮮な感覚で生み出される、その華やかな美音は、とてもこの世のものとは思えない輝きを持っている。
胸のすくような冴えた技巧と、イタリア人らしい旋律の歌わせ方が聴きもので、唖然とするほど鮮やかに弾きあげている。
第1番の第1楽章のソロを聴いただけでも、この人がパガニーニを演奏するために生まれてきたようなヴァイオリニストであることが、よくわかるであろう。
特に第2番は全体に若さがあふれ、気迫のこもった見事な演奏だ。
デュトワの指揮は雰囲気満点で、充実感も立派だ。
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