2008年04月10日

グールドのモーツァルト:ピアノ・ソナタ全集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



グールドの演奏は常に《演奏とは何か》を考えさせられるし、そこから生まれてくる音楽はあらゆる理屈を超えて魅力的だ。

彼は20世紀前半の「作品に忠実に」という書かれた文化の偏重から脱して、自己の音楽を主張することのできた最初のクラシック演奏家であり、また演奏家としてまぎれもないチャンピオンだった。

それを雄弁に裏付けるのが、この魅力的なモーツァルトである。

グールドの演奏がユニークであることについては、もはや特に述べる必要はないだろうが、このモーツァルトは作品がポピュラーであるだけに、それが突出して理解できる演奏である。

それはまたモーツァルトの音楽はこう弾いても壊れない、というグールドの作品に対するオマージュの表明でもある。

テンポの設定からニュアンスの表現まで通常のモーツァルト演奏では聴けないものの連続で、それが音楽的に強い説得力と新鮮な魅力を発揮する。

一例を挙げれば、「トルコ行進曲」が神業で、「モーツァルトにおいては、絶対にこのように弾いてはいけない」ということを全部行って、しかも成功を収めている。

グールドは極度に遅いテンポで、音をポツポツ切った非人間的な弾き方からモーツァルトのメルヘンの世界を創造した。

しかも彼はそのメルヘンチックな表現のなかに孤独感さえ湛えているのだ。

メカニックに弾きながら、最も人間的な淋しさを描き出したグールドは、まさに天才の名に価する。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:00コメント(2)トラックバック(0)モーツァルト | グールド 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by 伊野   2008年04月27日 13:54
5 この部分、『「トルコ行進曲」が神業で、「モーツァルトにおいては、絶対にこのように弾いてはいけない」ということを全部行って、しかも成功を収めている。

グールドは極度に遅いテンポで、音をポツポツ切った非人間的な弾き方からモーツァルトのメルヘンの世界を創造した。

しかも彼はそのメルヘンチックな表現のなかに孤独感さえ湛えているのだ。

メカニックに弾きながら、最も人間的な淋しさを描き出したグールドは、まさに天才の名に価する。 』

素晴らしい評論です。感服しました!!この演奏大好きなんですよ。その本質を見事に言い当てられた感じです!!
2. Posted by 和田   2008年04月28日 15:58
共感していただきありがとうございます。私もグールドのトルコ行進曲が大好きです。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ