2008年04月10日
アーノンクールのモーツァルト:グラン・パルティータ&ナハト・ムジーク
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
「グラン・パルティータ」はアーノンクールが特にこの録音のために結成した団体のデビュー録音で、並々ならぬ意欲が直截に伝わってくる。
ウィーンの管楽器の名手たちの中から、シェフトライン(オーボエ)、ブランドホーファー(クラリネット)、トゥルコヴィチ(ファゴット)、アルトマン(ホルン)などを中心に、モーツァルトが好きでたまらない人たちを集めて作ったアンサンブルによる演奏ということもあって、ここにはモーツァルトに対する深い共感、そして情熱が感じられる。
各奏者の技量も見事で、おのおのが即興的な名人芸を発揮しながら、彫りの深い音楽をつくっている。
全員の息がピッタリと合い、音色もまろやかで美しい。
この「グラン・パルティータ」はかなりユニークなスタイルをもった個性派モーツァルトである。
実に鋭い切り込みでリズムを強調しながら、力強く表現しているので、モーツァルトの音楽から優雅さを求めようとする人には向かないかもしれないが、のちのベートーヴェンに通ずる劇的な性格を打ち出している点が面白い。
アーノンクールの解釈はダイナミクスやアーティキュレーションに予想以上に強調された彼の意志を投影しているし、装飾音にも変更を加えている。
テンポは概して速めで、強調されたリズムと躍動感が、社交目的の音楽としての性格をいっそう強めている。
「ナハトムジーク」は一転してアーノンクールの指揮は自然体で、優雅さや活力をうまく引き出している。
ウィーンの雰囲気にたっぷりと浸ることができるCDだ。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。