2008年04月14日
カペー四重奏団の芸術
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古くからのレコード・ファンは諸手を挙げて迎えるであろうディスクである。
カペー・カルテットは、20世紀に活躍した弦楽四重奏団の最高峰であり、演奏録史上、最高の芸術的高みにあった随一の名アンサンブルであった。
特にベートーヴェンの弦楽四重奏曲では、カペー以前にヨアヒム、以後にブッシュがあるだけである。
カペーの演奏は音楽的技術的にはまさに完璧である。
整然たる形式美と、作品の本質を深く把握した表情とをあわせ備えている。
メロディはあくまで流麗、リズムはこの上なく溌剌、そして抑揚、陰影、色彩、間合い、そのいずれもが洗練されている。
一見か弱くみえる絹糸は、その実弾力に富み、鋼鉄線のように強靭である、それと同じである(「ひばり」のテーマ!)。
作曲者の気魂や情緒を、気品をもってこれほど高度に表現した団体は、もう出現しないだろう。
ここに収められたディスクも淡々とした演奏ながら自信にあふれ含蓄に富むその語り口は、聴き手を魅了し説得せずにはおかない。
音は多少古めかしいが、すぐに彼らの世界に引き入れられ、気にならなくなってしまう。
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