2008年04月15日
カラヤン/スカラ座の「道化師」「カヴァレリア・ルスティカーナ」
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
まず表現と音の響きの異様なまでの艶麗さに驚かされる。
この徹底して肉感的美感の追求は、1960年代のカラヤンの特徴に違いないが、その中にヴェリズモ独特の直接的・激情的なエネルギーの燃焼もほのかに感じられる。
「道化師」は1965年に録音されたもので、当時カラヤンは57歳。
その指揮は活力にあふれており、演出も極めて巧妙である。
特に第2幕は秀逸だ。
独唱陣のなかでは、タデイのトニオが傑出している。
これは、トニオの屈折した心の動きを見事に捉えた演唱で、トニオ役の最もすぐれたもののひとつに数えてよい。
マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」はレオンカヴァルロの「道化師」とともに、カラヤンが珍しくミラノ・スカラ座を指揮したディスクで、これは、その「道化師」をさらに上まわる名演である。
カラヤンは、マスカーニ固有の美しい旋律をたっぷりと情感豊かに歌わせながら、全体をドラマティックに仕上げている。
その緊張感にあふれた精巧な表現はこの人ならではのもので、ここには、ヴェリズモ・オペラの本質が万全に表出されている。
独唱陣のなかでは、コッソットのサントゥッツァが秀抜である。
サントゥッツァの感情の揺れ動きをきめこまかく的確に歌い上げているあたり、実に見事なもので、ことに「ママも知るとおり」は、聴いていると目頭の熱くなるのを覚えるほどの名唱だ。
コッソットはデビュー50周年コンサートでもこの曲を熱唱していた。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。