2008年04月15日
トスカニーニの「ミサ・ソレムニス」
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トスカニーニは何という音楽を描き出したのだろう。
トスカニーニほど、鉄のような固い意志と、赤々と燃える情熱で、この最高峰に臨んだ指揮者はなかった。
ベートーヴェンがミサのテキストと格闘したが如く、トスカニーニはスコアと激しく闘っている。
気迫の鋭さ、圧倒的造形の前に、今聴き直してもたじたじとならざるをえない。
その骨格の太さ、剛直さは、まさにベートーヴェンの魂そのものの具現であり、情緒のつけいる隙はない。
平凡な指揮者の手にかかると退屈以外の何物でもないこの曲が、信じ難いほどの輝きをもって、われわれの前に立ち現れている。
トスカニーニの演奏も劇的であり、交響的である。
独唱者の質がよく揃っていること、どの部分の重唱も整然として独唱もあたかも一個の楽器の如くに処理されているのがいかにもトスカニーニらしい。
「クレド」は全曲の圧巻だ。
速いテンポで直線的に表情を追っていく迫力は、このレコードの特徴を最もよく現した部分である。
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