2008年04月22日
ドラティ&コンセルトヘボウのバルトーク:管弦楽のための協奏曲
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ブダペストのフランツ・リスト音楽院でコダーイやバルトークに師事したドラティは、さすがに恩師の作品の演奏に対する理解力はたいへんなもので、天下の銘器コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したこの録音は、ドラティの数多いアルバムの中でも屈指の名盤といって良い。
彼は過去の実績からいっても不思議とこのオーケストラとウマが合う。
マジャール的な味を全篇に色濃く出し、異常なまでに密度の高い演奏を繰り広げる。
細部までよく考えられており、各部分の描き分けの適切さに舌を巻く。
素晴らしい立体感だ。
特に第3楽章から第4楽章にかけての盛り上げ方にうまさには圧倒される。
息を呑むような演奏とはまさにこのことで、独奏者たちの腕も冴えわたっている。
ハンガリー的情感を見事に表出している点も、他の名盤にはない味わいだ。
もっと派手な音や、直截的な迫力を楽しみたければ、ベルリン・フィルやシカゴ響などのものを聴けばいい。
そうした演奏から聞こえない音楽を聴きたいのなら、ドラティのCDに第一に指を屈する。
苦みのうまさがわかる、微妙な味の違いのわかる大人のための音楽だ。
その他の曲も屈指の名演で、ハンガリー人としての血のたぎりさえ感じさせる。
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