2008年04月26日
カラスの「カルメン」
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カラス唯一のスタジオ録音で、ライヴ録音も他には残されていない。
この演奏の最大の魅力は、カラスの素晴らしい歌唱にある。
そのドラマティックな表現の幅の広さと深さでは、プレートル盤のカラスにまさるものはない。
まさにカラスのカルメンに脱帽するディスクで、まるでカルメンそのもののような、奔放で情熱的な演唱には完全に魅了されてしまう。
自由奔放で妖しい魅力を発散するカルメン、激情にかられてののしり叫ぶカルメン。
余りに強い凝集力が息苦しさを感じさせることも事実だが、これほど劇的緊張感に富んだ演奏もほかにはないことも確かだ。
それは、およそカルメンの音楽とキャラクターの中にあるドラマと感情のすべてを最も深く、最も鋭く、そして最も音楽的に歌い出したものとして他に類がない。
この録音当時、カラスは41歳。
彼女の歌には、女盛りの妖しい色気が満ち満ちている。
そのほかではゲッダのドン・ホセが名唱で、これは、カラスの残した数多くのディスクのなかでも特に音がよく、彼女の至芸を存分に味わうことができる。
現在ではいささか時代遅れになってしまったギロー校訂のレチタティーヴォ版による演奏でありながら、緊迫した劇的表現のおかげで、少しも古さを感じさせない。
プレートルのフレッシュな指揮も申し分ない。
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