2008年04月29日
クナ&ウィーン・フィルの「ブル3」(1960年ライヴ)
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有名なDECCAのスタジオ盤の6年後におこなわれた演奏。
一連のクナッパーツブッシュのブルックナー録音と同じく、ここでも改訂版が用いられているが、この作品の場合、小節数が最も一般的なノヴァーク第3稿と同じこともあり、さほどの違和感はない。
第8番と同様に原典版との差が比較的少ないため、安心してクナの音楽に浸ることが可能である。
拍手嫌いのクナらしく、ここでも聴衆の拍手が鳴り止まないうちに演奏が開始されている。
冒頭からリズムの良い実にクナらしい進行で、ウィーン・フィルの弾力ある弦と味のあるウィンナ・ホルンの絡みが絶妙。
音質が生々しいため、荒々しく巨大な第1主題部と、気持ちのこもった美しい第2主題部のコントラストも強烈で、クナッパーツブッシュの「第3」が特別な存在であることをすでに十分過ぎるくらいに印象付けてくれる。
第2楽章と第3楽章は、スタジオ盤に較べて少々テンポの速くなっている部分で、演奏に独特の勢いの良さがあるが、第2楽章第2主題部などの美しい旋律は徹底的に歌いこまれているため、ここでもやはり強いコントラストが感じられる。
スケルツォ主部での豪快かつパワフルな演奏も見事で、トリオも実に愉快だ。
第4楽章は、スタジオ盤に較べて、より柔軟なアゴーギクが印象的。
しかもウィーン・フィルの豊麗なサウンドが非常に効果的に作用しており、第4楽章第2主題でのとろけるような美しさや、コーダの圧倒的なスケールなどこのコンビでなければ不可能な深い味わいが堪らない。
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