2008年04月29日
インバルのブルックナーの交響曲第1稿
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インバルによるブルックナー/交響曲全集の中では、特に第3,4,8番の第1稿が通常に用いられる稿と大きく違っており、ブルックナーに関心のある人は必聴である。
第3番の版の問題は複雑だが、この初版は通常の版と比較しても豊饒多彩で、未来的な示唆を多分に含んでいる。
こちらの方が面白いとさえいえる。
ここには引用魔ブルックナーのワーグナーからの多量の引用があるが、これを削った通常の版よりも、21世紀の人間にはこちらのほうが、近代、現代の交響曲作法のはしりと見ることができる。
演奏もそれにふさわしい名演。
第4番は現在ふつうに聴かれる版と違い、スケルツォは全く別の曲と入れ替えられ、あとの楽章も現在の第2稿とは相当異なる。
小節数も全体で312小節も多い。
もし、この第1稿のままだったら、ブルックナーの交響曲の中で現在これが別格の人気をかち得ているか疑問だ。
演奏は、こうした作品の姿をかなり客観的にとらえ、充分音楽的に表しており、資料価値も高い。
第8番の初稿が他の稿と決定的に異なる点は、第1楽章のコーダが高揚して第1主題が再現されて、フォルティッシモで終結することだ。
初めて聴いたときの衝撃と感銘はその後もいささかも薄らいでいない。
インバルの演奏も何故ブルックナーが改訂せざるをえなかったのか疑問に思わずにはいられないような完成度の高さを示す秀演を繰り広げている。
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