2014年11月21日

ベームのモーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」


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これは本当に大変な出来映えで、ベーム一代の最高の成果の1つというだけでなく、20世紀後半におけるモーツァルト解釈を代表する名演に数えるべきものであり、恐らく、20世紀全体を通じてみても、この世紀におけるモーツァルト演奏の何たるかを、永く後世に伝えるに足る演奏というより他ないようなものだろう。

ベームが指揮者として壮年期にあった時期の録音だけに、その生気あふれた音楽運びは、この時代のベームの芸術を特徴づける最大の魅力である。

まず第一にあげなければなければならないのは、ベームの実に見事な音楽表現だ。

おそらくここには我々が「ウィーン風」という概念で呼んでいるあの独特な演奏スタイルのすべての特徴と美点とが、最上の形で結晶して、モーツァルトの音楽をこれ以上ないほどの微妙さと美しさで鳴り響かせている。

ベームのモーツァルトの基本はインテンポであり、その中で楽譜に書かれてる音符と歌い手がイメージしている音楽が融和し、自ら美しくあるいは劇的な音楽が生まれてくる。

ベームは何もしていないように思われるが、そのアンサンブルから流れ出る音楽のなんと楽しいことだろうか。

ベームの指揮のもと、おそらく「コシ・ファン・トゥッテ」を最も深く知りつくしているウィーン・フィルが水を得た魚のように生き生きとした表情で馥郁たる匂いと劇的な情感に溢れる音楽を聴かせてくれる。

ベームの演奏は流麗をきわめ、表情はふくよかで、モーツァルトの至純な音楽がこれほど高い純度にまで精錬されて響くことは、ごくまれにしかあるまい。

温和で豊潤な音楽から生み出される馥郁たる香りのモーツァルト像は、この作曲家が持っている懐の深さを改めて我々に教えてくれる。

ゼーフリート、ヘルマン、オットー、デルモータら6人の歌手達も揃って高水準の歌唱を聴かせており、一つのスタイルと緊密なアンサンブルを形成している。

モーツァルトとベームの芸術を愛する人々にとって、この1組はかけがいのない価値を持つものである。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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