2008年04月30日
ベームのブル3
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堂々とした風格を感じさせる名演。ベームならではの質実剛健な音楽づくりにひかれる演奏だ。
ベームがまだ枯れ過ぎる前の1970年の録音なので、その起伏の大きな音楽運びと張りのある充実したウィーン・フィルの響きは文句なしに素晴らしい。
ベームは悠揚迫らぬ足どりで、素朴といえるほど素直に旋律を歌わせ、間をたっぷりとって雄大に音楽を構築し、そのなかに内面の感動を彫りの深い表情で表している。
ベームは武骨なほどにブルックナーの形式感覚だけをとらえて演奏している。
彼は、例えばカラヤンのように、現代的な演奏効果などを考えに入れていない。
そして、この演奏を聴いていると、音の洪水の中で一種の陶酔を覚えてくる。
それは、ブルックナーの音楽そのものにもよることだが、それ以上に、直観的に指揮するベームの力のある演奏によるのである。
全4楽章のどの部分をとっても素晴らしく、自然なたたずまいをもって聴き手を説得せずにはおかない演奏だ。
既に録音から40年近く経過したが、色褪せるどころか、ブルックナーの素晴らしさをその原点から確認させる演奏としてますます輝きを増してきているように思われる。
この第3番の録音は、第4番「ロマンティック」とともにベームの貴重な遺産のひとつといえよう。
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