2008年04月30日

ベーム&シュターツカペレ・ドレスデンのシューベルト:交響曲第9番「グレイト」


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1979年1月12日、クルトゥーアパラスト、ドレスデンに於けるライヴ録音。

ベームの最晩年の録音のひとつである。

ベームの指揮した「グレイト」というと、なぜかベルリン・フィルとのスタジオ録音やウィーン・フィルとのNHKライヴばかりがクローズアップされるが、シュターツカペレ・ドレスデンとのライヴこそが、最高の演奏だと思う。

この演奏はライヴということで一層感興がみなぎり、素朴に情熱の高揚が示されている。

まったく虚飾はないが、ベームは鋭敏に音楽に共感しており、シュターツカペレ・ドレスデンも尊敬するベームの下で、自発性の強いアンサンブルを展開している。

したがって音楽が歌と流動感にあふれているのはいうまでもない。

この感興にみちた表現は、シューベルトの真髄を衝いたものだ。

オーケストラの音は、やはり特別のもので他のどこにもない色調と弾力をもっている。

オーケストラの中には、常々ドレスデンへの讃仰を口にしているベームのもとでの演奏の喜びと張りが、明らかに息づいているのが聴こえる。

第2楽章の豊穣で平明なロマン性、第3楽章のほとんどCDを聴いていることを忘れさせるほどの流れの豊かさなど抒情の大河を想わせる。

ごく自然に揺らしたテンポにはライヴ特有の息遣いが感じられ、実に生命力溢れる音楽が展開される。

滅多に聴けないシューベルトと言えるだろう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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