2008年05月02日
クレーメルのベートーヴェン&ベルク:ヴァイオリン協奏曲
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
ベートーヴェンでのクレーメルの音色はこの上なく艶やかで、時には耽美的であり、そのフレージングは極めてなよやか、かつ自在、それらが最高のテクニックの裏づけを伴って最も敏感でデリケートな表現を生む。
ベートーヴェンの精神的な深さを抉るよりは、聴く者の感覚をくすぐる演奏といえよう。
マリナーの伴奏はオーソドックスで真摯な指揮ぶり。
ベルクは生誕100年を記念しての録音。
クレーメル、デイヴィス共に初のベルクだった。
クレーメルの引き締まった音は、厳しい精神と結びついて演奏に粛然とした雰囲気をもたらす。
しかし、その響きは決して刺激的なものではなく、すっきりとしたスタイルを保ちつつ表情は豊かである。
ベルクの音楽がもつ性格とよくマッチした演奏といえよう。
ことに少女マノンの苦悩と死を描いたといわれる、第2楽章の表現が絶品で、悲劇的な内容を深々と表現しているところがすばらしい。
デイヴィスの指揮も同様に引き締まった音でしなやかに演奏し、音楽に美しさを与えている。
すべてのパートが明快で、フォルテの響きも決して重くならない。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。