2008年05月02日
運命的な「ト短調」の傑作
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モーツァルトの《宿命の調性》といわれるト短調で書かれたこの第4番は、モーツァルトが作曲した6曲の弦楽五重奏曲の中でも最高の名作として知られている。
その深い憂愁と清澄な美しさを湛えた音楽は、しばしば同時期に作曲されたオペラ「ドン・ジョヴァンニ」や晩年の傑作であるト短調交響曲と比較されている。
アルバン・ベルク四重奏団は、持ち前の精緻なアンサンブルを現代的なシャープな感覚で生かして、明快で強靭な表現力をもった演奏をつくっている。
感傷に溺れることなく、活気のある新生面を出そうという姿勢をみせている。
それは特に第1楽章と第2楽章で感じられる。
それだけに第3楽章アダージョの深く内省的な歌がいっそう印象的であり、安易な感傷に陥ることない表現が、一貫して弱音器をつけて演奏される音楽の内に秘めた不安と救済への憧憬をいっそう印象的なものにしている。
第3番は少しの弛みもない堅牢無比な音構築の中で、各楽章の特徴をよく生かし、精彩にも溢れている。
第2楽章は充分すぎるほど歌い、第4楽章では楽しい躍動感が打ち出されている。
とにかく2曲とも、その音色といい部分部分に表れる表情といい、ウィーンのカルテットならではのものだ。
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