2008年05月02日

アルバン・ベルクSQのモーツァルト:弦楽五重奏曲第3番K.515&第4番K.516


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モーツァルトの《宿命の調性》といわれるト短調で書かれたこの第4番は、モーツァルトが作曲した6曲の弦楽五重奏曲の中でも最高の名作として知られている。

その深い憂愁と清澄な美しさを湛えた音楽は、しばしば同時期に作曲されたオペラ「ドン・ジョヴァンニ」や晩年の傑作であるト短調交響曲と比較されている。

アルバン・ベルク四重奏団は、持ち前の精緻なアンサンブルを現代的なシャープな感覚で生かして、明快で強靭な表現力をもった演奏をつくっている。

感傷に溺れることなく、活気のある新生面を出そうという姿勢をみせている。

それは特に第1楽章と第2楽章で感じられる。

それだけに第3楽章アダージョの深く内省的な歌がいっそう印象的であり、安易な感傷に陥ることない表現が、一貫して弱音器をつけて演奏される音楽の内に秘めた不安と救済への憧憬をいっそう印象的なものにしている。

第3番は少しの弛みもない堅牢無比な音構築の中で、各楽章の特徴をよく生かし、精彩にも溢れている。

第2楽章は充分すぎるほど歌い、第4楽章では楽しい躍動感が打ち出されている。

とにかく2曲とも、その音色といい部分部分に表れる表情といい、ウィーンのカルテットならではのものだ。

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コメント一覧

1. Posted by kasshini   2014年02月20日 13:50
こんにちは。今日は聴いてみたいことがあり、複数個所に渡り書き込みをします。
さて、今までリリースされたモーツァルト弦楽五重奏曲で、1番いいと感じた演奏は誰でしょうか。

個人的に興味深いと考えているのは、
ヴィーンの音色の伝統と緻密なアンサンブルで
アルバン・ベルクSQ.
古楽器特有の雅な音色を、ゆったりとした演奏で優雅に演奏するクイケンSQ.
そして、ハイフェッツを中心に、グレゴール・ピアティゴルスキー、ヴァージニア・マジェフスキ、イスラエル・ベイカー、ヴァージニア・マジェフスキと何人かは、オーケストラ、弦楽四重奏団も経験したソリストが共演した盤。この演奏も、4番で一部乱れがあるものの、アルバン・ベルクと比較しても、素晴らしいアンサンブルだと思いました。
以上、3グループです。
2. Posted by 和田   2014年02月20日 15:47
それら以外だと、ブダペストSQとトランプラーの演奏が一分の隙もない名演ですね。
アンサンブルは緊密で、細かい表情にまで気を配り、そしてしっかりした構築美の中に燃えるような熱気をおいたり、のびのびとした抒情を盛り込んだりしているため、聴き応えのあるものになっていると思います。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

よろしくお願いします(__)
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