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2008年05月05日

カラヤン壮年期の「フィガロ」


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カラヤンのモーツァルトのオペラの録音の中でも、傑出した演奏だ。

すべての登場人物が生き生きと描かれている傑作だけにすぐれた演奏も多いが、この盤はあらゆる面で最も充実している。

カラヤンの推進力に富む指揮が、このオペラにみなぎるはつらつとした生命力を鮮やかに表現しており、ウィーン・フィルの豊かな陰影をたたえた響きも美しい。

カラヤンはモーツァルトの音楽に含まれるドイツ的・イタリア的な要素の融合のバランスのよさにおいて傑出しており、しかも強い説得力を持っている。

歌手陣の充実ぶりも見事で、クンツ(フィガロ)、ジョージ・ロンドン(伯爵)、ゼーフリート(スザンナ)、ユリナッチ(ケルビーノ)、シュワルツコップ(伯爵夫人)という主役の役柄に合った声のバランスもすぐれている。

また隅々にまで気を配った粒揃いの脇役陣も非常にすばらしく、選りぬきの名手たちを適材適所に配したキャスティングの万全さと彼らの歌の魅力がこの盤の価値をいっそう高めている。

カラヤンはそれら個々の見事な歌を、必要以上に濃厚な隈取りを意識して避けながらまとめあげている。

そのために個々のアリアはもとよりカラヤンの流麗な指揮によるアンサンブルもまた一段と生彩を放っている。

台詞がカットされているが、音だけを聴くオペラとしては何の支障もない。

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