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2008年05月05日

アルゲリッチのラヴェル


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アルゲリッチのラヴェルを集成した徳用盤。どの曲の演奏もラヴェルの音楽のもつ青白い詩情をぞんぶんに表現している。

ピアノ協奏曲はアルゲリッチの才気煥発なピアニズムが目いっぱい詰まった魅力的な演奏。フランス的な情緒とか味わいとかに振り回されず単刀直入に切り込んでいき、自ら感じとったものを直截的に表現する。アバドのバックもうまい。

アルゲリッチの鋭利な感性から生まれる、自由に飛翔するファンタジーと独特の幻想性が「夜のガスパール」をとりわけ魅力的なものにしている。十分に放恣で狂乱的であると同時に、構成上のバランスも素晴らしい、完成度の高い演奏だ。細部の仕上げが極めて細かい。奔放さという点ではフランソワと同様だが、彼女の演奏は、さらに明快率直である。ことに〈スカルボ〉は抜群だ。

またアルバム全体を貫く洗練された気品のあるピアニズムによって「高雅にして感傷的なワルツ」はより一層たおやかな光のきらめく衣装をまとうこととなった。直線的な流れをもった、すこぶる輝かしい表現で、美しい仕上がりとなっている。

「ソナチネ」は感情表現の大きな、そして熱っぽい演奏で、全編に生命力が躍動している。その明快なタッチと音色の美しさは何とも素晴らしい。

「水の戯れ」はまだアルゲリッチが19歳の時の録音だが、大器を予感させる演奏だ。静かに歌われるカンティレーネや水の描写に、はっとするほど透き通る純度の高い感性が見え隠れしている。

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