2008年05月07日
コンヴィチュニーのブル5
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「温故知新」というライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の伝統を地で行ったコンヴィチュニーという名指揮者を偲ぶために、現在わが国で入手可能なディスクは、残念ながらごく少数である。
この深酒のため働き盛りで死去した指揮者について大書しておきたいのは、彼がライプツィヒでブルックナーの交響曲を積極的に採り上げて、その際に当時はまだ評価が決定していなかった「原典版」をもっぱら使用したことである。
この「ブル5」は、ゲヴァントハウス固有の響きと、コンヴィチュニーの強固な音楽性とがくっきりと出た、この組み合わせならではの豪快な演奏。
コンヴィチュニーの音楽観は蒼古雄勁、表現は豪快で、現代神経症の片鱗もみえぬ骨っぷしの強い演奏だが、オーケストラのバランスのとり方、音力の加減など細部の彫琢には配慮がうかがえる。
弦の音がやや硬質だが、独特の響きはゲヴァントハウスそのもので、全体の表現の強さに大きく作用している。
最も感動的なのは、全曲を貫く強い緊張の持続と、その緊張の質がひたすら音楽の生成、発展、完結のひと筋道を走り続ける質実で剛健なものであることだ。
また、現代の管弦楽技法のさまざまな装いがないことに、逆に驚異的な新鮮さを覚える。
古武士的なブルックナー演奏。
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コメント一覧
1. Posted by <太郎> 2008年05月08日 09:15

色々と聴いても結局、戻ってくるそんな原点ともいえる演奏。
ヨッフム・ドレスデンはオケを愉しむ録音であってブルックナーを聴くものではないと思う。
コンヴィチュニーの演奏は緊張感と間の取り方に関しては最高ではないだろうか? ここまで呼吸が深く長い演奏は早々ない。
2. Posted by 和田 2008年05月08日 09:23
ご指摘の通りかと存じます。
ヨッフムには独特のムラッ気がありますよね。コンヴィチュニーに比べると呼吸の深さと安定感が足りないような。
あとゲヴァントハウスの状態も最高です。ブロムシュテットと来日した時にはこのオケの絶頂期は過ぎた感がありました。
ヨッフムには独特のムラッ気がありますよね。コンヴィチュニーに比べると呼吸の深さと安定感が足りないような。
あとゲヴァントハウスの状態も最高です。ブロムシュテットと来日した時にはこのオケの絶頂期は過ぎた感がありました。