2008年05月07日
イエペスのアランフェス協奏曲〜スペインの土の匂い
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以前、新婚旅行でスペインに行った友人がアランフェスで撮った写真を送ってくれた。アランフェスは、スペインの首都マドリードから南に約50キロほど離れたところにある王家の離宮のことで、その壮麗な建物や美しい庭園で知られている。
3歳の時失明したロドリーゴは、この離宮を訪れた時、栄華を誇っていた当時のスペインを思い浮かべながら、アランフェス協奏曲を作曲したのだった。
イエペスはこの曲を有名にした人だけあって、実によく練れた解釈で、作品の民族的な雰囲気を豊かに表出している。
六弦ギターを用いた、アルヘンタと共演した1回目の録音もよかったが、この4回目の録音は、十弦ギターを開発したイエペスが、完全に自分の表現を確立したものといってよい。
イエペスの演奏は音にも表情にも柔らかなニュアンスを濃く漂わせて、細かい表情の変化を魅力的にしている。
聴きどころの第2楽章でも、主題をひきついでからも繊細な情感を反映し、表情に潤いを持たせて演奏している。
この人ならではの音づくりのうまさも徹底しており、隅々にまですこぶる繊細である。
「幻想曲」の方も傑出した演奏だ。イエペスの技巧に目をみはらされる。彼の芸格の高さを示したもので、オケもすぐれている。
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