2008年05月07日
アバドのブラームス:管弦楽曲集
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「ハンガリー舞曲全集」はブラームス自身によるピアノ連弾からの編曲のほか、計7人の手になるオーケストレーションによって全曲を演奏している。
アバドはこれらのスタイルの差をおそらく意識的に狭めて全体の統一を図っている。
全体にすこぶるシンフォニックに、しっかりと表現した演奏で、その堂々とした風格は、ブラームスの交響曲の一部分を思わせるかのようだ。
比較的誇張のないテンポ、巧妙なオーケストラの扱いと音楽面での一貫したアプローチ、ウィーン・フィルの艶やかな響きと生気にみちた表現が全21曲に統一された美しさを与えている。
セレナードには、いわば室内楽的な面と、やがて来るべきオーケストラ作品への習熟を思わせるような面の双方が備わっている。
第1番でのアバドは巧みな語り口で、そうした作品の位置づけを明らかにしながら、その冒頭楽章に示された牧歌的な雰囲気の描写などにすぐれた表現をみせる。
ベルリン・フィルのうまさも驚くべきもので、その合奏能力の卓抜さには圧倒される。
アバド若き日のセレナード第2番はよい出来ではない。表現があまりにも明るくすっきりとしすぎていて、ブラームスらしい渋さと重厚さに欠けているからである。第2,4楽章は特にそうで、どうやら彼のイタリア人気質が裏目に出てしまったようだ。
演奏はむしろ「大学祝典序曲」の方がよく、これは祝典的な華やいだ気分にあふれた好演である。
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