2008年05月13日
リヒターの「メサイア」
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きわめて崇高な気分にみちあふれた、スケールの大きな演奏で、ヘンデルの音楽のたくましく壮麗な面を、みごとに表出した名演である。
バッハの作品演奏の大家として知られていた人だけに、ヘンデルを演奏しても、構築のしっかりした音楽をつくりあげているが、手兵ミュンヘン・バッハ管を指揮したものよりも、このロンドン・フィル盤は、明るくモダンなのが特徴だ。
この英語による「メサイア」では、英語のもっている機能と、ヘンデルの中にあるイタリア様式とが、リヒターの中に色々渦巻いているようで、中途半端なものを残した部分も少なくない。
しかし流動的なフレーズのつくり方は、ヘンデルの世界だ。
リヒターの内なる心の広がり、許容しようとするヘンデル的世界へのアプローチに関して、やはり感動的な演奏だ。
純正なヘンデルかという問題はさておき、この緊張感の高いヘンデルはどうだろう。
パストラールの1ページをとってみても、これほど全精神を一点に集中した演奏はリヒターの旧盤を除けば空前絶後だろう。
リヒターはあくまでも彼の信じる音楽へと、ヘンデルを近づけてしまう。
こうした峻厳なヘンデルにも一度は耳を傾ける必要があるのではないだろうか。
独唱、合唱、オーケストラともに、この曲にゆかりの深いイギリスのメンバーだけあって、たいへんな熱演である。
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1. まちがった遊び・そわそわ・UK life/新世紀美術??APES「生まれるよ」/東京オペラの森プレ... [ La Dolce Vita 1/2 ] 2008年05月13日 23:21
13日、ギャラリーS.c.o.t.tで、グループ展「f.展」を鑑賞した。
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