2008年05月15日
F=ディースカウ&ムーアのヴォルフ:メーリケの詩による歌曲集(1961年ライヴ)
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F=ディースカウとムーアのによる1961年、モーツァルテウム、ザルツブルグにおけるライヴ録音。
声とピアノが、まさに対等の立場で競い合うようなスリリングな演奏だ。
曲の細分化に関してF=ディースカウの右に出る歌手はいない。ディクションの細やかなニュアンスが最大に力を発揮して、ヴォルフの変幻自在な歌の命を燃焼させている。
F=ディースカウほどヴォルフを楽しませてくれる歌手はいない。
言葉のもつイメージの多彩な働きが、素晴らしい力をもって、ドイツ語を解さない聴き手をも無条件に呪縛してしまうのだ。
それにムーアのピアノによる、ヴォルフ・エネルギーの凄まじいまでの噴出が相乗作用し、理想的なメーリケ歌曲集を生んでいる。
F=ディースカウというと、リヒテルやバレンボイムと組んだ演奏も名演だったが、それらの演奏よりも、さらに情熱を外に向けて発散させているような歌唱で光っている。
F=ディースカウは絶妙な語り口と心理的な表現で、時には数分の短い歌にオペラの1幕を思わせるようなドラマを織り込んで歌っている。
「癒えたものが希望に寄する歌」での深い表情、「明け方に」での激情、「出会い」「あばよ」での達者さ、「いましめ」での芝居気なども驚くほど。
プログラミングの周到さも名歌手ならではだ。
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