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2008年05月15日

F=ディースカウのブラームス歌曲集


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F=ディースカウはごく初期からブラームスを繰り返し録音しており、エンゲル、デムス(当盤)、ムーア、バレンボイム、そしてリヒテルと、多くのピアニストとアルバムを録音していた。

また1970〜73年にかけてはムーア、サヴァリッシュ、バレンボイムとEMIに全集を録音、次いで1972〜81年にはバレンボイムとDGのブラームス全集のための録音を行っていた。

このディスクは、F=ディースカウ33歳のときの録音で、25曲収録されており、ほんの数曲聴いただけでも、この人の精神的な燃焼度の凄さに圧倒される。

F=ディースカウのブラームスは、思念の奥深い所から誰の耳にも優しく、また烈しいメッセージを届けてくれる。

言葉への傾斜を強めていた彼だけに、多分にシューマネスクなブラームスだが、そこから"内に向けられたロマン性"を解放し、情感の襞の中から、ブラームスをつかみ出してくるのだ。

F=ディースカウは、最晩年のブラームスの境地がしみじみと語られた「4つの厳粛な歌」を劇的求心力の強い、彫りの深い歌唱で展開している。

ともすると晦渋の色濃いブラームスの歌曲を、聴き手がどうしたら楽しんでくれるかという、彼の優しい心がそのまま伝わってくるような1枚だ。

デムスのピアノも配慮がいきとどき、しなやかに和している。

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