2008年05月23日
ロストロ夫妻のショスタコ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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国際レコード批評家賞、モントルー国際レコード賞を受賞した名盤の復刻である。
早くから「カテリーナ・イズマイロヴァ」はオリジナルの方がすばらしく、20世紀のオペラの名作だ、と主張していたロストロポーヴィチが、1978年に録音したのがこれだ。
確かに挑発的だし、話は陰気で、聴いて心楽しくなるオペラではないけれど、実に聴きやすく、退屈しない作品だ。
スターリンによって不当に黙殺されていたこの傑作オペラを、再び世に出し蘇生させることを願うロストロポーヴィチ夫妻の情熱と執念の強さが、ディスクの中から迸り出る様な演奏である。
そのロストロポーヴィチの意気込みがよく伝わってくる。
ロシア的濃厚さも、当然ながらいっぱいだ。
ロストロポーヴィチのダイナミックかつ繊細な指揮の下、悲しく激しい女の業を歌い上げるヴィシネフスカヤの絶唱を始め、ゲッダ、ペトコフ以下の名歌手達が、入神の演唱を展開している。
チョン・ミュンフン盤のユーイングとは全然違うヴィシネフスカヤのカテリーナは、こちらがもともと意図されたものか、と思えるところがある。
ゲッダのセルゲイもうまい。
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コメント一覧
1. Posted by AS 2008年05月23日 18:09
こんばんは。はじめまして。自分が生まれて初めて聴いたオペラがなんと「ムツェンスク郡の…」でした。クラシック音楽に興味があったので、大学生の時に「ロシア音楽」の授業を受けて色々なロシアの作曲家の音楽を聴きましたが、特にこのオペラと、同じくショスタコーヴィチのオペラ「鼻」が特に印象に残っています。国内盤のCDが発売された時には両方ともすぐ手に入れました。ロストロポーヴィチとヴィシュネフスカヤ夫妻の凄さを感じました。ただし、これを聴き通すには、聴く側も万全の状態でないとつらいかもしれませんね。
2. Posted by 和田 2008年05月23日 18:25
ASさん、コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、クラシック音楽にはムード的に聴き流せる音楽ではなく、聴く側にも気力、体力、知力を要求する作品があり、このオペラもその類だと思います。
初めて聴かれた際には「これはすげぇ!」と感じられたのではないでしょうか(笑)?
ご指摘のとおり、クラシック音楽にはムード的に聴き流せる音楽ではなく、聴く側にも気力、体力、知力を要求する作品があり、このオペラもその類だと思います。
初めて聴かれた際には「これはすげぇ!」と感じられたのではないでしょうか(笑)?