2008年05月25日
ベルグルンド&ヘルシンキ・フィルのシベリウス:交響曲全集
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ベルグルンドは、フィンランド生まれで、シベリウスの研究家としても知られている人である。
この演奏も、そうした彼の研究の成果と、同国人としての深い共感を強く感じさせるものとなっている。
ベルグルンドはシベリウスの交響曲全集を3度録音しているが、ヘルシンキ・フィルとの第2回目のものが、最も万人向けの名演で、中でも第1,3,5,6番が感動的な名演奏だ。
第1番の第1楽章は、ベルグルンドの非凡なスコアの読みによって仕上げられた明晰極まりない秀演が展開されている。柔軟で多彩な表現の第2楽章、彫りの深い第3楽章も素晴らしく、終楽章の男性的で雄渾な表現は凄いほどの迫力がある。
第3番はスコアを深く読みつくし、従来のどの演奏にもなかった内声の表情の豊かさや音構造の妙を発見させる。その新鮮な表情はたとえようもなく、この曲の稀有の名演といえる。
第5番は瑞々しい発想とかつてない劇性を備えており、第2楽章などかなり自在な表現だが、それがツボにはまっている。終楽章のスピード感も強烈で、じりじりと高潮する雄大な設計が感動的な音楽を歌い出す。
第6番も見事な演奏で、この作品の交響詩風ともいえる自由な構造と、教会旋法を用いた透明感を適切な表情で表し、作品の清冽な内面性をふくよかな歌と結んでいる。
その他の曲も他の追随を許さない卓越した秀演である。
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