2008年05月28日
カラヤンの「展覧会の絵」「海」「ボレロ」
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いずれもよく彫琢された演奏。
精緻に計算された無駄のない表現で、音の響きも美しい。
「展覧会の絵」でのカラヤンは、ラヴェルのオーケストレーションのもつ音色美を尊重しつつ、原曲のロシア的情感を豊かに表出している。
ラヴェルの、色彩的な音色美を尊重しながらも、焦点をムソルグスキーの原曲にあてている演奏だ。
「ビィドロ」を聴いてみればよくわかるように、原曲のもつ、あのロシア的情感を、実に豊かに表出している。
全体にテンポを遅めにとり綿密な設計で仕上げた演奏で、細部まで彫琢された凄さには驚かされる。
圧巻は終曲の「キエフの大きな門」だ。やや遅めのテンポで、悠然と旋律を歌わせた秀演である。
「海」は寸分の隙もない精緻な演奏だが、カラヤンの体質のためか少々粘りが強く、デリケートな音の綾織りにやや乏しいのが惜しまれる。
「ボレロ」は秀演で、カラヤン一流の巧緻な演出が光っており、1966年の演奏だが、3度目の録音と遜色のない名演だ。
各プレーヤーのうまさもさることながら、ラストの盛り上げ方のうまさに感嘆する。
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コメント一覧
1. Posted by AS 2008年05月28日 20:22
こんばんは。カラヤン/ベルリン・フィルハーモニーの演奏は美し過ぎてちょっと敬遠してしまうのですが、この2曲と「アルルの女」組曲だけは別です。なぜかというとサクソフォーンを吹いているのが、名手ダニエル・ドゥファイエだから。カラヤンはこれらの曲を録音する時には、必ずフランスからドゥファイエを呼んだそうです。「展覧会の絵」の「古い城」のアルト・サクソフォーンのソロは何度聴いても感動します。
2. Posted by 和田 2008年05月28日 21:10
カラヤンは各パートに名手を置いたので、そういう思い入れを持つ方は多いかと思います。「トゥオネラの白鳥」のシュテンプニクも素晴らしい。
私はカラヤンサウンドを決定づけたのは最初のコンマスのシュヴァルベだと感じますがいかがでしょうか。
私はカラヤンサウンドを決定づけたのは最初のコンマスのシュヴァルベだと感じますがいかがでしょうか。