2008年05月30日
クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団来日公演の「幻想交響曲」
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1964年5月10日、東京文化会館におけるライヴで、その名演は長くファンの間で語り草となった。
いかにも、このコンビらしく、洗練された透明なソノリティと品のよさを兼ね備えながら、しかも凄絶な活力にみちている。
フランスのオーケストラならではの音色の華やかさがあり、この曲の燃えたぎるような情熱を、これほどまでに直截に伝えた演奏というのも珍しい。
クリュイタンスは曲にのめり込むのではなく、一歩退いて知的にまとめている。そのため細部が入念に処理されながらもあくの強さがなく、音楽がさらさらと流れている。
第1楽章からクリュイタンスは、堅固な造形で曲をまとめながら、推進力と高揚感を表出する。
「舞踏会」は優雅そのもの、「野の風景」も広々とした音空間が生まれている。
終りの2楽章も見通しのよい表現だ。
クリュイタンスならではの格調の高さと手際のよさにひかれる名演である。
戦後日本のフランス音楽の理解に大きな衝撃を与えた、古きよきフランス文化の栄光の記録だ。
HQCD化により、音質が鮮度を増したことも評価したい。
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