2008年06月02日
アバドの「ヴォツェック」
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ベルクの「ヴォツェック」は音楽史上初めて無調で作曲されたオペラで、20世紀になって書かれた最もすぐれたオペラの一つに数えられる作品である。
1986年からウィーン国立歌劇場の音楽監督をつとめていたアバドと同歌劇場の初のオペラ録音で、87年6月に行われて絶賛を博した上演のライヴ録音である。
この2年後、89年のウィーン国立歌劇場の日本公演でもアバドはこの作品を採り上げ、見事な舞台を聴かせていた。
ベルクの音楽のもつ多彩な響きを実に巧みに表出した見事な演奏で、現代曲をよく採り上げているアバドとしても、最高の演奏の一つといえるだろう。
アバドの、緻密でしかも即興性もあり、すこぶる表情と色彩に富んだ指揮がダイナミックな好録音によって迫力を倍増、異様なまでの生々しさとなって迫る。
独唱陣も粒が揃っており、このオペラの強烈なドラマを万全に表現している。
マリー役のベーレンスは、歌唱至難なスコアを正確に、しかも豊かな感情を盛り込みながら歌っており、至難な役どころを完璧に歌いきっていて素晴らしい。
さらに見事なのはツェドニクの大尉で、実に多彩な声の色を駆使しながら、役の俗物性をさらけ出し、また鬼気迫る表現も生み出している。
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