2008年06月04日
超大物を起用したベートーヴェン:トリプル・コンチェルト&ブラームス:ダブル・コンチェルト
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ベートーヴェンの三重協奏曲には、独奏者に名人級の大物を起用した演奏と、ピアノ・トリオをそっくりあてた演奏とがあるが、これは前者のタイプで、名人芸の醍醐味を堪能するという点では、まことにうってつけのディスクだ。
リヒテル、オイストラフ、ロストロポーヴィチといった超一流の名人を揃えた演奏で、3人の独奏者とカラヤンとの間に、目の見えない火花が散っているかのような錯覚をおこさせるほど、異様な緊張感に包まれた熱演である。
ことにカラヤンの指揮が素晴らしく、雄大なスケールと円熟味にあふれた生命力が全曲に漲っている。
ソリストでもロストロポーヴィチの雄弁さが聴く者の度胆を抜くのに充分だ。オイストラフは、若い頃の贅肉を落として、敏感なデリカシーを見せ、リヒテルはアンサンブルのまとめ役を楽しんでるかのようだ。
精悍で少しのたるみもない第1楽章の造形、3人のソリストが濃密なアンサンブルを聴かせる第2楽章、堂々たる風格にまとめあげられた第3楽章の力感など、まさに記念碑的演奏たるゆえんだろう。
ブラームスも3人の巨匠の夢の共演として有名なアルバム。
3大家のまさに円熟の極みの時期の、この二重協奏曲の古今の録音の中でも最高峰に位置する演奏である。
セルの確然たる造形力が全体を統率し、ロストロポーヴィチが雄弁無比に歌を誘導、オイストラフの見事な張りと艶が魅力あふれる上声部を形成する。
3人の演奏家が、それぞれ自らの美質を最高度に発揮しあった演奏といってよいだろう。
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コメント一覧
1. Posted by ゆうや 2008年06月04日 23:51
トラバどうもありがとうございます。
三重協奏曲はベートーヴェンの他の協奏曲や交響曲に比べて、なんだかとりとめがない感じを受けてたのであまり聞いていなかったです。
ほとんど聞いていないのにこんな評価してはいけませんね。また色々聞いてみたいと思います。
逆に、ピアノトリオのようにソリストもオケもアンサンブルに徹している様な名盤あったら教えて欲しいです。
三重協奏曲はベートーヴェンの他の協奏曲や交響曲に比べて、なんだかとりとめがない感じを受けてたのであまり聞いていなかったです。
ほとんど聞いていないのにこんな評価してはいけませんね。また色々聞いてみたいと思います。
逆に、ピアノトリオのようにソリストもオケもアンサンブルに徹している様な名盤あったら教えて欲しいです。
2. Posted by 和田 2008年06月05日 00:01
トリオ・フォントネ/インバルの演奏はカラヤン盤とは対照的な室内楽的演奏です。