2008年06月08日
バーンスタインのマーラー:交響曲第3番
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旧盤は、この曲のもつ田園風で天国的な憧れの気分を入念に表現しつくしている。第1楽章は明るい響きで抒情を描き、第3,6楽章は柔らかな表情のなかに緊張感がみなぎっている。ソロも美しい。
新盤でのバーンスタインは、持ち前の劇的な自我の表出を抑え、枯淡に近づくような抑制力を感じさせる。
第1楽章などそれでも線が太く、逞しく、自在な表情を駆使している。
マーラー固有の悲劇的色彩の濃い第1楽章の深々とした呼吸もさることながら、天国的ななごやかな美しさと、あどけなさをもった第2楽章以下は絶妙なうまさで、感動的だ。
バーンスタインと組んで、数々のマーラー作品を歌ってきたルートヴィヒの、キャリアの深さを感じさせる卓越した歌唱も素晴らしい。第4楽章では、ルートヴィヒが年齢を感じさせぬ美声で深沈した表情の歌を繰り広げる。
また、第5楽章の少年と女声の合唱団の、透明で、表情豊かな歌声もすぐれ、すべてが高度の熟達をもってスムーズに進行していく。
圧巻は終楽章で、従来の演奏とは異なった、清楚な悲哀の感情をたたえた歌が大きくふくらんでゆく。バーンスタインの人間的一面を見るような驚くべき演奏である。
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コメント一覧
1. Posted by alma 2008年06月08日 17:19
バーンスタインのマーラーは、あまりにも表現が濃すぎて、
自分の体調が思わしくないときにはちょっと拒否反応が
出てしまったりします(笑)。
とは言え、やはり究極のマーラー表現の一つだと思います。
自分の体調が思わしくないときにはちょっと拒否反応が
出てしまったりします(笑)。
とは言え、やはり究極のマーラー表現の一つだと思います。
2. Posted by 和田 2008年06月08日 20:14
「究極のマーラー表現の一つ」その通りですね。様々な解釈あれど、これほどマーラーそのものになりきっている演奏は他には考えられません。