2008年06月10日
バーンスタインのマーラー:交響曲第4番
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旧盤はバーンスタインのマーラー・シリーズの中でも特に印象的だ。
演奏は19世紀的な名残りをとどめるといってよい。旋律を息長く、たっぷりと歌わせ、テンポも自在に伸縮しており、非常に温かい響きをもっている。
しかし、ディティールは詳細に描かれ、音楽の流れは合法則的といってよく、その中にバーンスタインの感興が明滅するのが面白い。
第1楽章はリズミカルで安定した進行を示し、第3楽章は繊細に歌う弦がことのほか美しく、その悠揚とした歩みは、さすがにこの指揮者のスケールの大きさを示している。
終楽章のグリストの独唱は素朴だが、快活で晴れやかな気分がある。
新盤はコンセルトヘボウの威力を最大限に発揮させながら、マーラーの精緻なオーケストレーションを、卓越した表現力で再現した力演である。
ディティールをすみずみまで考えぬき、自由自在に表情づけを行うなど、独自の感性が示されているが、すべての音が解放感をもって鳴り響いて素晴らしい。
第1楽章第1主題など実に爽やかなリズムをもって生き生きと歌われているし、第2楽章は一層主観的だがデュナーミクは正確で的確、木管やヴァイオリンの色彩感覚なども特筆に値する。
ただ第4楽章のボーイ・ソプラノの起用は、興味深い解釈とはいえ、やはり疑問が残る。
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コメント一覧
1. Posted by レニー狂 2008年06月12日 22:38

バーンスタインはこれを汚れ無き、無垢な天使の歌声で表現したかったのだと思います。ただ、結果はご指摘の通り、必ずしも成功とは言えません。オケも第三楽章までは自然な呼吸ですが、終楽章だけはほんの少し、窮屈な印象です。
2. Posted by 和田 2008年06月13日 03:55
確かに新盤は第3楽章までは天下の名演に違いないと思います。
ご指摘の通り、天使の歌とはいえ少年がよいとは限らないのでしょう。
旧盤はCBSへの全集の中では最高の演奏ではないでしょうか。
ご指摘の通り、天使の歌とはいえ少年がよいとは限らないのでしょう。
旧盤はCBSへの全集の中では最高の演奏ではないでしょうか。