2008年06月11日
バーンスタインのマーラー:交響曲第5番
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旧盤はバーンスタインの名声を高めたディスクであり、極めて啓蒙的解釈といえるが、そこにこの指揮者の激しい共感が示されている。
率直に感情を表面化した身ぶりの大きな音楽で、テンポもかなり動く。
現在聴いてみるとやや古めかしい解釈とも思えるが、それが作品への強い共感から生み出されているので不自然な印象は受けない。
新盤は1987年、新しいマーラーシリーズで初めてウィーン・フィルを起用したフランクフルトでのライヴ録音。
バーンスタインは、この曲のもつさまざまな情感を、スケールの大きな表現で描き出していて、一種異様な熱気をはらんだ演奏となっている。
第1楽章と第2楽章から形成される第1部で、バーンスタインが表現したものは未聞の沸騰である。感情のあらゆる動きがマーラーとの同化を相克を経て直接音化されて具現化されるさまは、筆舌に表し難い激しさをもっている。
第3部の終わりの2楽章だが、名高い第4楽章の耽美的表情や、フィナーレにかけての盛り上げ方は、凄まじい迫力だ。
ことに有名なアダージェットから生の希望に燃えたロンド・フィナーレに入っていくあたり、壮絶なまでに、死を乗り越えた人間の喜びがあふれている。
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