2008年06月18日
ショルティ&シカゴ響のバルトーク
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ショルティのマジャール人としての血の躍動が全編にあふれているかのような名演である。いずれもショルティらしい極めて精緻な表現で、どの曲を聴いても彼の意思の強さを感じる。
なかでも特に光っているのは「管弦楽のための協奏曲」で、実に彫りが深く、ひとつひとつの音に血が通っているかのように音楽が豊かに息づいている。
第4楽章など、実にハンガリー的な色彩を濃厚に表出しているし、終楽章も、力感と生命力にあふれた表現で、シカゴ響のもつ色彩感を巧みに生かし、鋭い切れ味で曲の核心に迫っている。
「中国の不思議な役人」は今まで聴いたことのないほど優れた演奏で、ショルティが一分の隙もなくまとめている。指揮者とオケが完全一体となった、手に汗がにじむような熱演だ。
「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」もこの曲の演奏の最右翼というべきもので、第2,4楽章における一種の緊張感と、マジャールの血の踊りは大変なもの。
「ディヴェルティメント」は暗い陰りを巧みに表出した第2楽章が素敵だ。
「舞踏組曲」は若い頃バルトークから直接教えを受けているショルティの、民族的な感覚の発揮された演奏で、ハンガリー的な色彩感と土俗的な香りを大変鮮やかに表出している。どの曲にも、ハンガリーの土の臭いが強烈に感じられる名演奏だ。
いずれも強烈な説得力で聴き手に迫る音楽である。
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