2008年06月19日

ブーレーズの「グレの歌」


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シェーンベルクの名前を一躍天下にとどろかせたこの「グレの歌」は、頽廃と官能にみたされた後期ロマン主義音楽の残照ともいうべき大作である。

ちなみに、シェーンベルクは、この作品を作曲するために、普通の楽譜の約2倍の48段の五線紙を特別にあつらえたという。

そういったこの曲の難解なスコアをすみずみまで徹底して分析したブーレーズの手腕が、最高度に発揮された演奏だ。

「グレの歌」には名演が多いが、ブーレーズは未来に向けての“ネオ・ロマンティシズム”の旗手たるべき、新鮮な演奏を繰り広げる。

全体に音楽の設計の明晰さが際立っており、音色は磨き抜かれて宝石のように美しく、しっとりとした味わいがある。

ブーレーズは、華麗で豊穣な音に包まれ、北欧の神秘的抒情を彩るこの作品から贅肉をそぎ落とし、現代的な照明を与えることによって、後期ロマン派のよどみから「グレ」を救い出したのだ。

やはり、これは稀代の名演のひとつだろう。

ただ、ブーレーズの特性は、シェーンベルクの音楽にある「表現主義」の残滓を徹底的に排除しようとしており、問題があるとすれば、この点であろう。

独唱陣は、いずれも立派だが、特に語り手のライヒが光っている。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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