2008年06月23日

バーンスタイン:ウェスト・サイド・ストーリー


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ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」初の完全全曲盤。数多くのミュージカルを手がけてきたバーンスタインが1984年に、満を持して自作の録音をしたものである。

オリジナル・キャスト盤でも省略されていた台詞を全て収録しており、マリアの台詞はニーナ・バーンスタイン、トニーはアレキサンダー・バーンスタインが担当している。

この作品は、商業的な娯楽ミュージカルなのか、広義のオペラなのかという論争が以前からあるが、ここでは後者の立場によって、カレーラス以下一流オペラ歌手によって演奏している。

つまりバーンスタインは、この作品を単なるブロードウェイのヒット作の舞台の再現としてではなく、広い意味でのオペラ作品として取り組んでいる。

それは、主役のマリアとトニーに、テ・カナワとカレーラスを、脇役にも、トロヤノスやホーンらオペラ畑の歌手たちを起用していることからもよくわかるだろう。

主役のふたりは、こうしたミュージカルを歌うにはやや品が良すぎるきらいもあるが、バーンスタインの期待に十分に応える歌唱を行っている。

全体に、ミュージカルの舞台のあの独特の熱気といったものは希薄なものの、すこぶるノリがよい仕上がりで、ポピュラー音楽とか、クラシック音楽といった狭い枠にとらわれない、新鮮で美しい音楽を楽しむことのできるディスクとなっているところは、バーンスタインならではだ。

そのため、視覚を伴った映画から受けた印象とはかなり異なった感じを与えることは事実だし、主役にはもっとパンチの利いた歌を歌ってほしい気もするが、「アメリカ!」などは最高に愉しく、オペラ的再現としては成功している。

ことに、この録音のためにわざわざ集められたブロードウェイ内外の一流ミュージシャンたちによるオーケストラと合唱は、さすがに達者な演奏を聴かせてくれる。

作曲者自身の演奏だけに、貴重な録音といえよう。

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classicalmusic at 00:02コメント(2)トラックバック(0)バーンスタイン  

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コメント一覧

1. Posted by レニー狂   2008年06月23日 22:14
5 「オペラ的に」というのはご指摘の通りだと思います。
メイキング映像を見ると、カレーラスが苦労しているのが良くわかります。オペラ歌手が、慣れない英語でミュージカルを歌うのですから、無理があるのは当然です。カレーラスが苦労の末に出した結論は、やはり「オペラ的に」表現するしかないという事で、「マリア」の一部は「オペラ的に」曲を変更して、ミュージカル歌手では歌えないような高音でマリアの名を叫びます。作曲者、指揮者であるバーンスタインはこの変更を容認するのですが、聴き手としてはここが一つの分岐点で、このオペラ的な瞬間を楽しめれば、その後も違和感なく、音楽に浸れるのかと思います。
また聴き手としては、「ウェストサイドストーリー」というミュージカルに先に接したか、音楽家バーンスタインを先に知ったかによっても、評価が分かれると思います。ちなみに私は後者なので、これはこれで楽しんでいます。
2. Posted by 和田   2008年06月24日 04:12
レニー狂さん、さすがにバーンスタインの作品についても造詣が深いですね。
私も音楽家バーンスタインに先に接したので、このディスクを抵抗なく受け入れることができるのです。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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