2008年06月30日
ボレットのフランク
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フランクの晩年の作品である、いささかのてらいもない「前奏曲、コラールとフーガ」「前奏曲、アリアと終曲」「交響的変奏曲」を、ボレットは実に深い共感をもって演奏している。
超絶的なテクニックの持ち主として、注目をあびていたボレットだが、ここでは、そうした技巧をひけらかすことなく、作品の本質を深く掘り下げ、実に風格のある表現を行っている。
それにはもはやテクニックや構造的理解といったレヴェルを超えた、限りなく広い音楽そのものの世界があり、その情感豊かな表現力には魅せられる。
オーケストラを伴う「交響的変奏曲」も、またしなやかな表現が成立することになる。
ボレットは透明度の高い音で素直にさらりと弾き去っており、細部の精度や流れの美しさもいうことがない。
また、シャイーの棒もみずみずしい情感をたたえ、ボレットの風格あるピアノと見事にまじりあって、まことに美しい仕上がりとなっている。
コンセルトヘボウの、豊麗な弦の響きをよくとらえた録音も、素晴らしい。
このピアニストの懐の深さをしみじみと知らせてくれるCDだ。
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