2008年07月01日
ブリテン「戦争レクイエム」自作自演
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
同曲の初演翌年(1963年)に録音されたもので、ブリテンの代表作の、作曲者自身の指揮による歴史的演奏である。
名曲ゆえに世界各地で演奏され録音も少なくないが、初演当時の熱気を収めた作曲者指揮の録音は、ドキュメンタリーとして貴重なだけにどんな名演奏が現れても存在価値を失わない。
文字通り渾身の力をこめた凄まじい迫力をもった演奏で、ブリテンがこの作品にこめた死者への鎮魂と平和への祈念の深さは、聴く者の心を打たずにはおかない。
ブリテンが作曲にあたって想定したが、初演の時には揃わなかった、英・独・ソの3人のソリスト(ピアーズ、フィッシャー=ディースカウ、ヴィシネフスカヤ)の、緊張とドラマにあふれた熱い歌が感動をよぶ。
誠実さを絵に描いたようなブリテンの指揮も音楽の訴えかけるメッセージを聴き手に伝えてくれる。
敵同士の魂が「さぁ、みんな眠ろう」と静かに歌い出す最後のくだりは、天使の声を象徴するような児童合唱の歌声とともに、胸を締めつけられながらも自らの魂が救済されるかのようで、最も感動的な部分だ。
歴史に残る名盤のCDとしての復活には大きな意義がある。
ちなみに根っからの人道主義者のブリテンは、第2次世界大戦の際にも兵役を自ら拒否した反戦主義者でもあった。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。