2022年02月27日

戦争をテーマとし、その悲しみを描くとともに、世界に向けて強く平和を訴えかけたブリテン「戦争レクイエム」自作自演盤


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「戦争レクイエム」は第1次世界大戦で戦死したオーウェンの反戦詩に拠った大作の、ブリテンの代表作を自ら指揮した記念碑的な録音。

1962年5月にイギリス、コヴェントリーの聖ミカエル教会大聖堂の献堂式のために書かれた。

この教会堂は第2次世界大戦のドイツ軍空襲によって破壊されたもの。

ブリテンは戦争をテーマとし、その悲しみを描くとともに、人々に不滅のメッセージを投げかけるユニークなレクイエムを書き上げた。

同曲の初演翌年(1963年)に録音されたもので、ブリテンの代表作の、作曲者自身の指揮による歴史的演奏である。

名曲ゆえに世界各地で演奏され録音も少なくないが、歴史に残る名盤には大きな意義がある。

初演当時の熱気を収めた作曲者指揮の録音は、ドキュメンタリーとして貴重なだけにどんな名演奏が現れても存在価値を失わない。

まさにいかなる理由があろうとも、今後どれだけの名演が出てこようとも、決して過去の遺物になることがないのが、ブリテンの自作自演録音なのである。

文字通り渾身の力をこめた凄まじい迫力をもった演奏で、ブリテンがこの作品にこめた死者への鎮魂と平和への祈念の深さは、聴く者の心を打たずにはおかない。

ブリテンが作曲にあたって想定したが、初演の時には揃わなかった、英・独・ソを代表する3人のソリスト(ピアーズ、フィッシャー=ディースカウ、ヴィシネフスカヤ)を迎え、緊張とドラマにあふれた熱い歌が感動をよぶ。

ソリストたちがその力を遺憾なく発揮するとともに、ロンドン交響楽団、合唱団も何かに憑かれたように音楽に集中している。

オールドバラ音楽祭をはじめとして多くの競演を重ねてきたオケやプレイヤーたちが、ブリテンの棒の下に集結しているのだ。

作品の原点がここに記録されていて、戦争の記憶がまだ残っている世界に向けて強く平和を訴えかけている。

誠実さを絵に描いたようなブリテンの指揮も音楽の訴えかけるメッセージを聴き手に伝えてくれる。

ブリテンが自作を振って生まれる音楽は、プロポーションが常にクール&スマートでありながらも、音色やバランスなどで、感情を表出させている。

このことは他の指揮者にはマネのできないことである(作品をよく知る者だけに許される)。

敵同士の魂が「さぁ、みんな眠ろう」と静かに歌い出す最後のくだりは、天使の声を象徴するような児童合唱の歌声とともに、胸を締めつけられながらも自らの魂が救済されるかのようで、最も感動的な部分だ。

本盤には、約50分におよぶ牘し録り瓮螢蓮璽汽襪付いている。

ちなみに根っからの人道主義者のブリテンは、第2次世界大戦の際にも兵役を自ら拒否した反戦主義者でもあった。

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classicalmusic at 23:26コメント(0)ブリテン | F=ディースカウ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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