2008年07月03日

小澤の「グレの歌」


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



1979年に行われたボストンでのライヴ録音だが、小澤の成熟ぶりが感じられるすぐれた演奏である。

小澤の「グレの歌」は、ブーレーズに比べるといくぶん速めのテンポ設定で、トリスタン的世界から離れて爽やかな情感の世界を描き出す。

世紀末的な耽美主義に的を絞った演奏で、重厚かつ色彩的だが、むしろ醒めているところがヤコブセンの詩の世界に近づいている。

ブーレーズが、鋭く楽曲を分析しているのに対して、小澤はより自由にこの作品をとらえ、生き生きと表現しているところがよい。

全体に若々しい気分にあふれ、詩情も豊かである。

彼の良さは音楽を分析的に見ることなく全身で受け止めている点にある。全身的共感が健やかなかたちで聴き手の心を開かせている。

こまやかな明るいきらめきにも欠けず、そこから漂い出るロマンティシズムのほのかな香りも聴きものだ。

ことに、後半にかけて熱っぽく盛り上げていくその設計は、小澤のこの作品に対する深い共感を物語っている。

独唱者もヴァルデマルのマクラッケンが特に良い。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 01:19コメント(0)トラックバック(0)シェーンベルク | 小澤 征爾 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ