2008年07月05日
ティボーの代表的名盤
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SP時代の名演奏といわれていたもので、音の状態はあまり良くないが、実に上品で、ラテン的香気にみちあふれており、しかも、熱っぽい情熱にあふれた演奏である。
この演奏は繊細で粋な感覚や明晰な知性といった、フランス音楽を演奏する上での不可欠な要素とはどのようなものかを教えてくれる点で、大きな存在理由を持っている。
3曲とも素晴らしくファンタジーに満ちた感興豊かな出来だが、なかでも即興性と内燃する情熱が横溢し、高い品格を備えたフランクがとりわけ見事。
また軽妙洒脱な味わいに満ちたドビュッシーも、独特の浮遊感を感じさせるフォーレも傾聴させられる。
こうした香り高い演奏は、いまや少なくなってしまった。
ただ正直な感想を述べさせてもらえば、この名コンビによるフォーレは、今聴き直してみるといささか古めかしい。
音そのものもそうだが、それ以上に演奏のスタイル、奏法、感覚がそう感じさせる。
しかし、そうはいっても第1楽章のしなやかな第1主題、第2楽章の嫋々たる主題、第3楽章中間のしのび泣くようなメロディがヴァイオリンで優美に歌われるのを聴くと、ある時代の美をこそ認めないではいられない。
それだけの力は、今なお失っていない。他の2曲も同様。
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